令和7年5月29日、衆議院総務委員会において「行政書士法の一部を改正する法律案」が全会一致で可決されました。
この法律案は今国会で成立する見込みで、令和8年(2026年)1月1日に施行される予定です。
本改正は、行政書士制度の現代化や、国民に対する法的サービスの向上を目的としたもので、行政書士の職務の明確化・拡充や、他士業との連携を意識した内容が盛り込まれています。
【ポイント解説】
一般の方へ
行政手続きの専門家である行政書士の役割がより明確になり、相談しやすくなります。
身近なトラブルや書類作成のサポートが強化され、法的サービスの選択肢が広がります。より信頼できる存在になります。困ったときに安心して相談できる体制が強化されます。
行政書士の皆様へ
職務範囲の明確化により、業務の安心感と責任範囲が明示されます。
他士業との連携や分業が進む中で、自らの強みや専門性をより発揮できる制度設計が期待されます。
使命と責任が明文化され、職業的地位の向上へつながります。特定行政書士として業務の幅を広げることも可能に。
他士業(弁護士・税理士・社労士など)の皆様へ
行政書士との業務のすみ分けがより明確になり、協業や紹介の判断がしやすくなります。
国民の法的ニーズに応えるための連携の機会が広がる可能性があります。法的支援の選択肢が広がり協業機会も拡大方向です。
【行政書士法が改正】
令和8年1月1日施行へ──使命明確化・業務拡大など5つのポイント
使命規定の明文化
行政書士の社会的使命(「国民の利便に資すること」など)を法律上に明記。
→ 国民にとって「何をしてくれる人か」がより明確になります。
職責規定の新設
行政書士に求められる倫理や責任(誠実・公正な業務など)を明文化。
→ 信頼性と専門職としての自覚が高まります。
特定行政書士の業務範囲拡大
一定の研修を受けた「特定行政書士」による不服申立ての代理が、より幅広い行政手続きに対応可能に。
→ 紛争予防・初期対応の力が強化されます。
非行政書士の業務制限の強化
行政書士でない者による無資格業務(報酬を得て書類作成等を行う行為)への規制が厳格化。
→ 国民が安心して正規の専門家に依頼できるようになります。
両罰規定の導入
違反行為を行った法人と、責任者である個人の双方に罰則を科す「両罰規定」を導入。
→ 違反の抑止力が高まり、業界全体の信頼性向上へ。
