もし金融機関が破綻したら預金はどうなる?

結論から先に述べますと、いまお持ちの口座を「決済用口座」に切り替えることで預金の全額を保護できます。


ご自身が一生懸命働いて貯金してきたり、コツコツ節約を実行して地道に貯金してきたお金の預金してある金融機関が万一、破綻したらその預金は全額保護されるべき。と通常は考えますが、残念ながら保護される預金は1金融機関につき預金者1人あたり元本1,000万円とその利息が保護の対象になっています。つまり、それ以上預金がある方は1,000万円を超えた部分は保護の対象になっていない…。ということです。たとえば2,000万円の預金がある方はざっくり半分しか保護の対象にならないということです。

私たちは、金融機関が破綻することはないと信じたいですが、先のことは何が起こるか予測ができないので、万一に備えて管理をしっかりしておくことが対策のひとつです。

預金保護制度とは

預金保険制度とは、万一、金融機関が破綻した場合、預けた預金を一定の金額まで保護する仕組みです。
対象金融機関は、

・日本国内に本店のある銀行
・信用金庫
・信用組合
・労働金庫
・信金中央金庫
・全国信用協同組合連合会
・労働金庫連合会
・商工組合中央金庫
・ゆうちょ銀行

その他、別途、農水産業協同組合貯金保険制度に加入しているところ
・農協や漁協
・水産加工協等

保護の対象にならない金融機関
・国内銀行の海外支店
・外国銀行の在日支店

預金保護制度で守られる範囲

①定期預金や利息のつく普通預金など1金融機関につき預金者1人当たり、元本1,000万円までとその利息等となります。
なお、1,000万円を超える部分であっても、破たん金融機関の財産の状況に応じて支払われますが、場合によっては一部カットされることがあります。
②ひとつの金融機関に同じ預金者が複数の定期預金や利息のつく普通預金などを持っている場合は、それらの残高を合計(「名寄せ」といいます)して、元本 1,000万円までとその利息等が保護されます。なお、法人の場合、本社・支店・営業所はまとめて1預金者として名寄せされます。
③決済用口座としての当座預金や利息のつかない普通預金等は、全額保護されます。
④預金保険の対象外としては、外貨預金、譲渡性預金、元本補てん契約のない金銭信託、投資信託などがあります。

預金を守る対策(ペイオフ対策)

  1. 1,000万円までの預金を複数の金融機関に分けて管理をする。
    この場合のデメリットは管理が手間で、相続が起こったときに相続手続きが大変になるということです。
  2. 無利息型普通預金(決済用口座)に変更する。
    無利息型なのでもちろん利息は発生しませんが、預金の全額が保護の対象になるので安心です。

    仮に利息の計算を定期預金で考えてみましょう。
    ・定期預金 年利 0.05%と仮定
    ・2,000万円預けると、年間10,000円の利息
    ・年間10,000円の利息がつくが、金融機関が破綻すると1,000万円とその利息しか保護されない可能性がありますので、資産を守るという意味では、無利息型普通預金(決済用口座)がおすすめではないでしょうか?

無利息型普通預金(決済用口座)とは

無利息型普通預金は「無利息」「要求払い」「決済サービスを提供していること」の3条件をクリアしていて、 通常の普通預金との違いは①無利息ですが、②預金保護制度で全額保護の対象になる口座です。
今までお使いの普通預金口座から口座番号そのままで切り替えができ、給与や年金の自動受取や公共料金の自動支払の変更手続きをしなくてよいメリットがあります。
特に成年後見制度や家族信託などで自分以外の人のお金を管理するなら、切り替え手続きを行った方がおすすめです。理由は万一、破綻した場合に後見人や家族信託の受託者の責任問題になることが考えられるからです。

 もし切り替えるとしたときの手続き

   一般的な説明にとどめますが、預金してある金融機関にお手元の通帳、印鑑、本人確認書類、収入印紙代200円(一般の通帳からの切り替えの場合)をご用意のうえ、申し込みができます。(詳しくはご契約の金融機関にお尋ねのこと)

以上が、もし金融機関が破綻したら預金はどうなる?の記事でした。
それぞれが考えられるベストな選択を講じていきたいものです。今後もみなさまにとって有意義な記事を投稿していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。